看護師に求められる様々なスキル

心臓血管外科で働く看護師には、特有のスキルが求められます。患者さんの状態は秒単位で変わる事がある為、異変をいち早く察知して適切な処置を施す判断力と、迅速な対応力が必要です。心臓や血管は、人体の中でも特に重要な部分を担っています。些細なサインを見逃さず、正確な判断を下す力が求められるのです。

心臓血管外科看護師は、技術面でも高い専門性が要求されます。例えば、心電図の読み取り能力は基本中の基本です。心電図は心臓の動きを示す重要な手掛かりであり、その読み取りによって患者さんの状態を理解します。さらに、点滴や注射、血圧測定などの基本的な看護技術に加え、特定の医療機器の操作能力が求められる事もあるでしょう。

コミュニケーション能力も非常に重要であり、患者さんや家族への説明や相談には専門的な知識を分かりやすい言葉で伝える能力が必要です。また、医師や他の医療スタッフとの円滑なコミュニケーションは、チーム医療を成功させる上で欠かせません。患者さんの安全と健康を守るにはチーム内で情報を正確に共有し、協力して働く事が大切です。

心臓血管外科で働く看護師は、精神的な強いスタミナを持っている事も大事でしょう。心臓疾患は生死に直結する事が多い為、患者さんや家族の精神的なサポートも看護師の役割です。患者さんや家族と共に困難を乗り越え、時には励まし安心感を提供する事は、治療の成功に大きく貢献します。このような環境で働くには高い専門性だけでなく、患者と深く関われる優しさと強さが求められるのです。

高い評価を受けられる心臓血管外科看護師

心臓血管外科では、急性期の患者さんが非常に多く、また患者さんの多くが他の病気にもかかっていたり高齢だったりします。心臓血管の手術そのものが非常に難易度が高い上に、他の疾患のことにも注意を払わなければならないので手術は長時間に及ぶことも少なくありません。手術室担当看護師は非常に緊張度の高い勤務を強いられます。

病棟担当看護師も決して楽な仕事ではありません。術前の管理や術後の患者の身体の管理、手術創の観察、ドレーンの管理、心電図の観察・記録、リハビリ、退院後の生活指導などがあります。心臓血管外科の術後は、急変が少なくありません。病棟看護師も急変に迅速に適切に処置できるよう、高い知識や心構えが求められるでしょう。

心臓血管外科では、手術室担当でも病棟担当でも急変に対して冷静に対応する力が必要です。また、大掛かりな手術になる事が多く、ほとんどの場合、心臓血管外科医、麻酔医、CT検査、血液検査などの検査技師、手術室看護師、病棟看護師など様々な専門家とのチーム医療になります。そのため、コミュニケーション能力も大切です。状態を正しく把握・報告し、さらに受けた指示を確実に正しく実行する能力が必要といえるでしょう。

勤務体系は、夜勤がつきもので夜勤中も忙しい事が多い科目です。看護師として厳しい仕事であるだけに、身に着けられる知識や技術も豊富で高度です。心臓血管外科の看護師は優秀、というイメージがあるのはこの為です。実際に、心臓血管外科勤務の経験は転職にも院内の昇進にも有利に働くことが多いのです。